「転職したいけど、不安で踏み出せない……」
そんなふうに感じたことはありませんか?
私自身、素材メーカーでプラントエンジニアとして働いていた当時、「このままで良いのだろうか?」というモヤモヤを抱えながら日々を過ごしていました。仕事にやりがいは感じていたものの、将来への不安や、もっと成長できる環境を求める気持ちが徐々に強くなっていったのです。
しかし、いざ「転職しよう」と考えたとき、不安や怖さが頭をよぎりました。
- 今が本当に転職すべきタイミングなのか
- 自分のスキルは、異業種で通用するのか
- もう30代だけど、遅すぎないだろうか
- 希望に合う企業が見つかるのか?
- 採用されなかったらどうしよう……
これらの「転職に対する不安」は、決して私だけのものではないと思います。実際、多くの人が一歩を踏み出せずにいるのではないでしょうか。
この記事では、私が異業種への転職(精密機器メーカーの研究開発職)を成功させるまでに、実際にやってみて「不安が和らいだ」と感じた5つの方法を紹介します。どれも手軽に試せる内容なので、転職活動への一歩を踏み出せない方の参考になれば嬉しいです。
今の仕事で抱えている悩みを言語化する

転職に不安を感じるとき、まず最初にやってほしいのが、今の仕事で抱えている悩みを書きだして、「言語化」することです。
転職をすれば、すべてが理想通りに変わる──そんな魔法はありません。だからこそ、何が転職で改善できそうで、何がそうでないかを整理しておくことが大切です。
たとえば、転職で解決しやすい悩みとしては以下のようなものがあります。
- 給与が低い
→ 面接でのアピールや交渉次第で改善可能です。
年収を下げずに、むしろ上げていくために意識すべき交渉テクニックは、こちらのNoteで詳しく紹介しています。 - ワークライフバランスが悪い
→ OpenWorkなどの口コミサイトで企業文化を調査すれば、改善の見込みがある職場も見つけやすいです。 - 勤務地を変えたい
→ 転職者は事業所ごとの採用になるケースが多く、求人票に明記された勤務地で働くことがほとんどです。 - 希望職種に就きたい
→ 転職活動では職種別で応募するため、自分の希望に合ったポジションだけに絞って動くことができます。
一方で、転職では解決しにくい悩みも存在します。
- 会社での評価が低い
→ 転職先でも同じ課題に直面する可能性があります。仕事の進め方や周囲との連携方法など、自分に課題がある場合もあるからです。 - 上司と馬が合わない
→ 職場の人間関係はどこに行っても付きまとう問題です。「今の上司との相性」が原因なのか、「人付き合いそのものに苦手意識がある」のかを分けて考える必要があります。 - 調整仕事が多すぎる
→ 実は、大企業の総合職ならよくある話です。私も転職前後で調整業務の比重に大きな変化はありませんでした。
まずは悩みの言語化し、転職によって解決しやすい悩み/しにくい悩みを切り分けることが、転職活動に踏み出す第一歩になります。
実際に紙やノートに書きだしてみると、「転職すれば解決しそうな悩み」が見えてきて、漠然とした転職の怖さが少しずつ薄れていくのを感じました。
自分のスキル・経験を棚卸する

「自分には特別なスキルなんてないし、転職なんて無理かも……」
私もそう思っていました。
しかし、実際にはそんなことはありませんでした。多くの人が、持っているスキルの価値に自分で気づいていないだけなのです。
棚卸の第一歩は、「自分がどんな業務をしてきたか」を洗い出すことです。
たとえば私の場合、プラントエンジニアとして以下のような経験がありました。
- 数億円規模の設備投資プロジェクトの計画・推進
- 異なる部署や現場との調整を通じた納期管理
- 異常発生時の現場対応や、再発防止の仕組みづくり
このような経験は、異業種であっても高く評価されることがあります。「どのような工夫をして課題を乗り越えたか」や、「どんな困難な調整を成し遂げたか」といった具体例があれば、面接でも説得力を持って話せます。
「自分の強みが求人票のどこに当てはまりそうか」を想像してみるのも有効です。
たとえば求人票に「プロジェクト管理経験者歓迎」と書かれていれば、自分の経験の中から「納期・予算・人員を調整したプロジェクト進行」の事例を選び、それをアピールする材料にできます。これにより、「この求人なら応募できそうだ」という希望が生まれ、不安が大きく和らぎました。
どうしても自分の強みに自信が持てない場合は?
以下の記事では、異業種転職で評価されたスキルの実例を紹介しています。ぜひそちらも参考にしてみてください。
「自分の持つスキルや経験は、異業種では通用しないのではないか?」 そんな不安を抱えながら転職活動を始めた私は、素材メーカーでのプラントエンジニア職から、精密機器メーカーの研究開発職へと異業種転職(キャリアチェンジ)を果たしました[…]
このように、「自分には何ができるか」を可視化することで、転職に対する怖さがグッと減ります。書き出してみると、自分でも気づいていなかった強みや価値が見えてくるはずです。
OpenWork等のサイトで、気になる企業の口コミを見てみる

転職が怖いと感じる大きな理由の1つが、「情報不足による不安」です。
- 今より労働環境が悪くなったらどうしよう
- 上司がパワハラ気質だったら?
- 年収が下がるんじゃないか
- 自分に合うカルチャーじゃなかったら……
これらは、すべて「入社してみないとわからない」と思われがちですが、事前にある程度見当をつける方法があります。それが、OpenWorkや転職会議などの企業口コミサイトを活用することです。
口コミサイトで分かることの例:
- 上司との距離感や風通しの良さ
- 実際の残業時間とワークライフバランス
- 年収のレンジや昇給の傾向
- 若手のうちから裁量を持てるかどうか
- 離職率や人が辞める理由
このような情報を集めることで、「思っていたよりも悪くない」「むしろ現職より良さそう」という判断ができ、転職への不安がぐっと減っていきます。
ただし、口コミを見る際の注意点もあります。
口コミサイトは、不満を持って辞めた人の投稿が多く、ネガティブな情報に偏りやすいという特徴があります。
なぜなら、サイトの仕組みとして「自分の勤務先の口コミを投稿しないと他社の情報が見られない」からです。従って、情報の信頼性や偏りを見極める目も重要になります。
おすすめの活用方法
まずは、自分が今働いている会社の口コミをチェックしてみてください。
「この会社にこんなこと書かれてるけど、実際は違うな」と感じることがあれば、他社の口コミを読むときもその感覚を活かせます。逆に、「たしかにこれは当たってるな」と思えたら、そのサイトの信頼度は高いと判断してOKです。
口コミサイトは、転職先候補の「リアルな姿」を垣間見ることができる貴重な情報源です。情報不足による漠然とした「転職怖い」という気持ちを、少しずつ理性的に和らげてくれます。
転職サイトに登録して、実際の求人情報を見てみる

「転職はリスクだけど、転職活動はノーリスク」
これは、転職を考えるすべての人に伝えたい考え方です。
実際に私がそうだったのですが、「転職が怖い」「失敗したらどうしよう」と考えて動けなかった時期がありました。しかしあるとき、転職サイトに登録してみたことで、その気持ちが大きく変わりました。
実際の求人を見ると、こんなメリットがあります。
- どんな企業が求人を出しているか分かる
- どんなスキル・経験が求められているか分かる
- 年収の相場や待遇の傾向が見えてくる
- 自分に合いそうな仕事・職場のイメージが持てる
これらの情報に触れるだけでも、「自分にも応募できそうな企業がある」と実感でき、転職への不安が期待へと変わっていきます。
特に効果があったのは「応募要件」と自分のスキルの照らし合わせ
求人票の中に「○○の業務経験がある方歓迎」といった記載を見つけたとき、「これは自分がやってきた内容に近いな」と思えたことで、転職できるかもしれないという自信が芽生えました。
最初は「どうせ自分なんて相手にされないだろう」と思っていた私でも、実際に求人情報を見ることで、前向きに考えられるようになったのです。
登録は無料で、気になる企業はブックマークしておくだけでもOK
転職サイトに登録したからといって、すぐに応募する必要はありません。まずは情報収集の一環として、気になる企業の求人を眺めてみるだけでも、十分に価値があります。
私が実際に使って役立った転職サイトについては、以下の記事で紹介しています。ぜひ参考にしてください。(作成中)
転職が怖いと感じている方こそ、一度、転職サイトで求人を覗いてみてください。無料でできて、しかも行動することで不安が減っていく。これは私自身、強く実感したことです。
転職エージェントと面談する

「まだ転職するかどうかも決めていないのに、転職エージェントと面談してもいいのかな……」
実は私もそう思っていました。
しかし結論から言うと、転職するか悩んでいる段階でも、エージェントとの面談は絶対にオススメです。
面談で得られる3つのメリット
- 自分の市場価値が分かる
職務経歴をもとに、「どんな企業が求めてくれるか」「どの程度の年収でオファーが出るか」などを教えてくれます。 - 応募できそうな企業の傾向が分かる
エージェントは日々数多くの求人を扱っているため、求人票に出ていない非公開求人も紹介してくれることがあります。 - 転職市場の動向を知ることができる
今は売り手市場なのか、求人数が増減しているのかなど、「今動くべきかどうか」の判断材料になります。
面談は無料、気軽でOK
転職エージェントのサービスは、基本的に転職者側はすべて無料です。企業が採用成功時に報酬を支払う仕組みのため、費用の心配はいりません。
私が初めてエージェントと面談したときも、「まだ情報収集の段階なんですけど……」と前置きしたうえで相談しましたが、丁寧に対応してもらえました。
むしろ、エージェント側も「情報収集中の転職希望者」に慣れており、気軽に相談してくる人にも誠実に対応してくれます。
面談を通じて、不安は希望に変わる
私は面談後、「思ったより自分のスキルは評価されるんだな」と感じて、不安よりも自信と選択肢の広がりを感じました。
転職エージェントとの面談は、今の職場以外の可能性に目を向けるチャンスでもあります。
私が実際に活用して良かった転職エージェントについては、以下の記事で紹介しています。ぜひ参考にしてください。(作成中)
まとめ
「転職が怖い、不安だ」──
そう感じるのは、ごく自然なことです。むしろ、しっかり考え、慎重になっている証拠でもあります。
私自身、異業種への転職にあたって、さまざまな不安を感じていました。
ですが今回紹介した5つの方法を実践することで、不安の正体が言語化され、やるべきことが見えてきた結果、冷静に判断し行動できるようになりました。
おさらい:転職が怖い・不安と感じたときにやってよかった5つのこと
- 今の仕事で抱えている悩みを言語化する
→ 転職で解決できる悩み/できない悩みを見極める - 自分のスキル・経験を棚卸する
→ 自信を持って応募できそうな求人が見えてくる - 口コミサイトで企業の実態を知る
→ 情報不足による不安が減る - 転職サイトで実際の求人を見る
→ 応募できそうな企業があると気づける - 転職エージェントと面談する
→ 市場価値や選択肢が明確になり、前向きになれる
転職の不安は、情報と行動で確実に小さくできます。大きな一歩を踏み出すためには、小さな行動を積み重ねることが何より大切です。
この記事が、転職に踏み切れずに悩んでいる方にとって、背中を押すきっかけになれば幸いです。