転職活動で、一次面接までは順調に進んだのに、最終面接でなぜか落ちた――
そんな経験をしたことはありませんか?
私自身、技術職として複数の企業で一次面接を通過し、「これはいける」と思っていたにもかかわらず、最終面接で不採用になることが続きました。
面接の場で大きなミスをした覚えもない。むしろ、一次面接では手応えがあった話を丁寧に再現したつもりなのに、なぜか結果は「不採用」。
特に、技術職の方は「スキルで評価されたはずなのに、何がいけなかったのか分からない」と感じやすいのではないでしょうか。私も同じ状態で、長らく原因が分からずに悩み続けました。
この記事では、そんな実体験をもとに
「なぜ最終面接で落ちるのか?」という疑問に対して、技術職の人が陥りがちな3つの落とし穴と、それをどう乗り越えたかについて詳しく解説していきます。
原因① 一次面接と全く同じ準備をしている
最終面接で落ちる人の多くがやってしまいがちなのが、「一次面接と同じ準備」で臨んでしまうことです。私自身も何度も繰り返した失敗でした。
面接官が変われば、見ているポイントも変わる
一次面接と最終面接では、面接官のポジションも評価基準もまったく異なります。以下は、私が複数の企業で面接を受けた中で整理した、典型的な違いです:

「一次面接でウケた話」を繰り返すミス
特に技術職の方に多いのが、一次面接で評価された技術的なエピソードを、最終面接でもそのまま繰り返してしまうこと。最終面接の面接官は、現場から離れた上層部であることが多く、専門的な深掘りには関心が薄いケースも少なくありません。
私も、ある企業の最終面接で、設備設計において自分が拘った点を熱く語ったところ、面接官の表情がどんどん曇っていった経験があります。あとから冷静に考えると、その面接官は役員クラスで、設備の技術的細部よりも「この人は当社にフィットするか」「長く働いてくれるか」を見ていたのだと思います。
面接のフェーズごとに設計を変える視点が大事
つまり面接は、段階ごとに評価ポイントが変わる「ステージ制」のようなもの。
同じ装備(準備)でどの敵(面接官)にも挑むのではなく、相手と目的に合わせて戦略を切り替える必要があります。
最終面接では、スキルの優秀さよりも、誠実さ・価値観の一致・将来像のリアリティなど、「人間としてどうか?」が重視されます。ここを履き違えると、スキル十分でも不採用になるのは当然なのです。
関連記事
「最終面接で通用する、面接設計の考え方を知りたい」という方へ。
2回の転職活動で“即内定”を勝ち取った私の経験を基に、面接での話し方やエピソード設計のコツをまとめたnoteもご用意しています。
👉 面接準備の極意 | 2回の転職活動で掴んだ”即内定”の実勢ノウハウ
原因② 社風や理念への共感が伝わっていない
最終面接で見られるのは、「この人は仕事ができるか」だけではありません。それ以上に重視されるのが、「この人は、うちの会社に合う人なのか?」という価値観・相性の部分です。
この視点を意識していないと、どれだけスキルや実績があっても、「うちじゃなくても良さそう」と判断されて不採用になってしまいます。最終面接は、採用の最終決定権を持つ人が「この人に入社してほしいか」を直感的にも判断する場だからです。
技術職は「共感の表現」が弱くなりがち
特に技術職出身者に多いのが、「論理的には語れるが、共感や熱意が伝わっていない」パターンです。
成果や課題解決の話には強いけれど、「なぜこの会社なのか?」と問われると、途端に答えが曖昧になってしまう。私自身もそのタイプで、企業理念や社風への共感について考えること自体が後回しになっていました。しかし、最終面接ではこの部分が評価を大きく左右するのです。
「共感だけで志望理由を作る」は逆効果
注意したいのは、共感をアピールすればいいという話ではないという点です。
「御社の理念に感動して…」だけの志望動機では、逆に表面的で薄っぺらく見えてしまうリスクがあります。重要なのは、「企業理念に共感していることを志望理由の一部として、自然に組み込む」こと。
例えば、以下のようなイメージです。
「○○領域で培った技術スキルを御社の△△分野で活かせると考えると同時に、御社の『□□』という理念にも強く共感しました。これまでの経験と価値観の両面で接点があると感じています。」
こうした形で、自分の経験や価値観と企業側の考え方を重ねて伝えることで、深みのある志望理由になります。
共感ポイントを見つけるためにやるべきこと
「共感」といっても、企業HPの理念ページを見ただけではピンと来ないことも多いはずです。私が活用していたのは、以下のような情報源です:
- 社員インタビューや職場紹介ページ
- 採用サイトや企業公式ブログ
- OpenWorkや転職会議の口コミ欄
- 担当の転職エージェントへのヒアリング
これらの情報をもとに、「この会社ってこういう人が評価されているんだな」「こういう考え方を大切にしているんだな」といったカルチャーの輪郭をつかむことで、自分との接点が見えてきます。
関連記事
「なぜこの会社なのか?」に答えられないと、どんなにスキルがあっても落とされます。自分の価値観を掘り下げ、企業の文化とすり合わせるためには、しっかりとした自己理解と企業分析が必要です。このあたりに不安がある方には、価値観やキャリアの軸を見つけるのに役立つ本をまとめた記事もおすすめです。
「このまま今の会社にいていいのか」「転職すべきか、それとも現職に残るべきか」 こうした悩みを持つ20〜30代のビジネスパーソンは少なくありません。 私自身、30歳を目前にしてキャリアの方向性に迷い、最終的には異業種への転職とい[…]
原因③ 想定質問への備えが甘い
一次面接と異なり、最終面接では表面的な質問だけでは終わらないことがほとんどです。面接官の多くが管理職や役員などの上位層であるため、「その人の本質」や「価値観・判断軸」を探るような質問が増える傾向にあります。
最終面接でよくある“深掘り質問”の例
実際に私が受けた質問の中にも、最終面接ならではの深い問いが数多くありました。
- 「技術力を磨くために、普段どんな自己研鑽をしていますか?」
- 「プロジェクト内で意思決定する際に、何を判断基準にしていますか?」
- 「ユーザーのニーズを正しく掴むために、どんなことを意識していますか?」
こういった質問は、その場しのぎで答えようとしてもすぐに浅さが見抜かれます。普段から考えていること、行動していることがないと、説得力のある答えにはなりません。
特に技術職の方は、「スキル」や「成果」について語る準備はできていても、自分の判断軸や行動パターンについて深く言語化する機会が少ない傾向にあります。
正しい選択をしていたとしても、“なぜそう考えたのか”という根拠を言語化できないと、面接官の納得は得られません。
“とっさに出てこない”を防ぐための準備が必要
最終面接を突破するには、こうした深い質問にも落ち着いて自分らしい言葉で答えられることが重要です。ただし、「その場で考えて答える」ではどうしても浅くなりがちです。
そこで私が意識していたのは、過去の経験をあらかじめ整理し、ある程度“話せる状態”にしておくことでした。どんな経験を、どんな質問に結びつけて話すか――この視点を持つだけでも、面接での安定感は大きく変わります。
そしてもうひとつ大事なのが、“声に出して練習する”ことです。面接は“伝える場”である以上、いくら内容が良くても、伝わらなければ意味がありません。
私は、話す練習をすることで「この表現はわかりにくいな」「論理の流れが不自然だな」といった気づきが得られ、回答の質が一段階上がりました。録音して聞き返すのもおすすめです。
関連記事
「想定問答の作り方をもっと具体的に知りたい」という方へ。
私が面接本番で安心して話せるようになった、エピソード設計の考え方や、企業に合わせた準備の方法については、noteにて詳しくまとめています
👉 面接準備の極意 | 2回の転職活動で掴んだ”即内定”の実勢ノウハウ
まとめ | 最終面接で「また落ちた…」を防ぐために

転職活動の中で、「最終面接で落ちた」という経験は、精神的にも大きなダメージを受けるものです。特に、一次面接を順調に通過していた場合、「なぜ自分が落とされたのか?」という疑問や悔しさはひときわ大きく感じるでしょう。
最終面接で落ちる原因
私もかつて、同じように技術職としてのスキルには自信があったにもかかわらず、最終面接で何度も落選し、そのたびに自信を失いかけました。しかし、振り返ってみると、そこには明確な原因がありました。
- 一次面接と全く同じ準備で臨んでいたこと
- 社風や理念への共感を十分に伝えられていなかったこと
- 深い質問に対する備えが不十分だったこと
これらは、特に技術職出身者が陥りやすい落とし穴でもあります。
専門性への自信がある人ほど、「なぜ落ちたのか分からない」と悩みやすいのです。
面接の先にある「納得できる条件での入社」のために
面接の通過はあくまでスタート地点であり、その先にある「条件交渉」も非常に重要なポイントです。長期的に満足のいくキャリアを築いていくためには、面接と同じくらい“交渉力”が問われる場面が待っています。
「せっかく内定をもらったのに、年収交渉で損をしたくない」という方へ。
異業種転職でも年収を下げずに転職を成功させた私の実体験と交渉ノウハウを、noteにて詳しく解説しています。
👉 年収交渉の極意 | 異業種転職でも年収をキープできた理由と実践ノウハウ
最後に
最終面接は、転職活動の“最後の壁”とも言える関門です。
ですが、求められているものを理解し、適切に準備することで、確実に突破できるものでもあります。この記事が、最終面接で悔しい思いをしてきた方や、これから挑もうとしている方のヒントになれば幸いです。