「エンジニアリング」と「設計」は似て非なる物です。
本記事では両者の違いを分かり易く解説します。
エンジニアリングとは
言葉の意味
エンジニアリング(engineering)を直訳すると「工学」です。
単に学問を指すだけでなく、業界によっては
「技術を開発・改善する事」「決められた予算、納期の中で納品すること」
と様々な解釈で使われます。
エンジニアリングを一言で説明するのは難しいですが、広義に
「科学技術を応用し、与えられた金と時間の中で、最適なモノやサービスを生み出す活動」
と言えます。
具体的な仕事
プラント業界を例に、エンジニアリングの仕事の流れを図にすると以下のようになります。
各フェーズの呼び方は違えど、システム業界などにおいても流れは大体同じです。

各フェーズの仕事にはそれぞれ専門家(=プロジェクトメンバー)
が付いている場合も多いので、全てエンジニアリング担当者が直々に
手を動かす訳ではありません。
エンジニアリング担当者の主な仕事は、
プロジェクトリーダーとして進捗を管理し、プロジェクトを推し進めていく事です。
プラントエンジニアリングの仕事内容や各フェーズの詳細については、
以下の記事で詳しく解説しています。
プラントや設備に関係する技術的な業務のことを、広く「プラントエンジニアリング」と呼びます。 本記事ではプラントエンジニアの役割と、仕事の流れを詳しく解説します。 プラントエンジニアリングとは? 「エン[…]
設計とは
言葉の意味
設計とは、計画された物を仕様書・設計図・計算書
などの手段により具現化していくことです。
(参考:Wikipedia)
先ほどのエンジニアリングのフローで言うと、仕様検討・基本設計・詳細設計を
担当する人が設計者になります。
つまり設計とは、エンジニアリングの仕事の一部分と言えます。

具体的な仕事
設計者のメインの仕事は設計図の作成です。
他には客先のニーズに沿った仕様書を作成したり、
計算書による強度チェックなどを行います。
設計にあたっては要求された仕様を満たすだけではなく、
様々な不具合・トラブルを予測し対策を打つ事も重要です。
- 故障時に部品を交換し易いように簡単に解体できる構造にしておく
- 回転体に人の手足が巻き込まれないようカバーしておく
- 片方の機器が故障しても大丈夫なように2つ並列に設置しておく
のように未来を予測するセンスが、エンジニアリング全体の成功を左右します。
まとめ:エンジニアリングと設計の違い
エンジニアリングと設計の違いを解説しました。
ポイントをまとめると以下の通りです。
- エンジニアリングとは、「科学技術を応用し、与えられた金と時間の中で、最適なモノやサービスを生み出す活動」の全般をいう
- 設計とは、「計画された物を仕様書・設計図・計算書などの手段により具現化していくこと」をいう
- 設計はエンジニアリングの仕事の一部分にあたる
皆様の参考になれば幸いです。