【激務って本当?】プラントエンジニアが激務と言われる6つの理由

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プラントエンジニアと言えば、激務・忙しいというイメージがあるかと思います。

今回は、現役のプラントエンジニアである私が、
本当に激務なのか、なぜ激務と言われるのかを解説します。

プラントエンジニアに就職・転職を考えている人の参考になれば幸いです。

プラントエンジニアの業務の流れ

プラントエンジニアとは、化学、発電、製鉄、食品といったプラント(=工場)そのものや、
プラント内で稼動する設備を作る職種です。

仕事の大まかな流れとしては、
基本設計

予算見積、案件受注

詳細設計

調達、製作

工事、試運転

引き渡し
といった内容になります。

プラントエンジニアリングの流れについては、以下の記事で詳しく解説しています。

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忙しさは案件の規模と時期によって異なりますが、
基本的に、大規模な案件かつ後半のフェーズになるほど、
激務になり易いです。

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プラントエンジニアが激務と言われる理由

それでは、プラントエンジニアが激務と言われる具体的な理由を解説していきます。

予算と納期が決められている

案件を受注すると「この予算でこの日までに納入する」という契約を交わす事になります。

予算と納期の両方が明確に決められているため、
何らかのトラブルで予算不足や納期遅延が起こりそうなになったとしても、
お金のやりくりやスケジュール調整で何とか挽回しないといけません。

予算不足でありがちなのが、
設計を進めるうちに購入品が増える事が発覚した、
外注業者と金額交渉の折り合いが付かなくなった、
といったトラブルです。

不足した予算を補うため、設備の構造を工夫して材料ボリュームを下げたり、
外注業者を安い業者に変更したりといった調整をしなければなりません。

一方、スケジュール遅れでありがちなのが、
途中で設計前提が変わって設計図を書き直しになった、
工事の段取りが変わって工事日数が増えた、
といったトラブルです。
こういう時は、スケジュール遅れを挽回するために残業が増える事が多いです。

こうしたトラブルに一つ一つ対応していき、
決められた予算と納期を死守しなければならない事が、
プラントエンジニアが激務とされる理由の一つです。

大量の図面・仕様書をチェックする必要がある

プラントは何百、何千と言った機器の組み合わせで作られるため、
当然の事ながらどれか一つでも不具合を起こすと上手く稼動しません。

そうならないよう、機器それぞれの図面・仕様書をチェックする必要がありますが、
機器一つあたりの情報量が数ページ程度だとしても、
それが何百、何千個という数あるため、膨大な情報量になります。

全てを隅々までチェックしようとすると、
どれだけ時間があっても足りません。

ある程度の所で切り上げる必要がありますが、
どこまでチェックして、どこで切り上げるかの見極めが難しいところです。

図面を効率的にチェックするコツや、
最低限チェックするべきポイントについては、
下の記事で紹介しています。

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関係先が多く、交渉・調整が大変

プラントエンジニアリングは仕事の規模が大きいため、
多くの関係先と一緒に仕事をする事になります。

例を挙げると、

  • 社内の機械、電気、計装、土建部門
  • 現場のオペレーター、整備担当者
  • 工事業者や設計業者などの外注先
  • 機器メーカー、商社

といった人達と交渉・調整しながら仕事を進める事になります。

それぞれ立場の違いや利害関係があるので、
双方の主張がぶつかって揉める事も多々あります。

プラントエンジニアは担当部門のプロジェクトリーダー的な役割を担うので、
こういった揉め事が発生しても、間に入って最適な解決策を見つけ出し、
案件を前に進めなければなりません。

ルールや法令が多い

プラントでは莫大なエネルギーや危険物を扱うので、
設備トラブルが発生すると現場作業者が危険に晒されるばかりか、
周辺住民を巻き込むような事態にも発展する可能性があります。

設備トラブルを起こさない安全なプラントを作るため、
設計段階から多くのルールや法令に則ってプラントを作る必要があります。

こうした縛りが多いのもプラントエンジニアの仕事が増える理由の一つです。

規模が大きく失敗できないというプレッシャー

プラントエンジニアは仕事の規模が大きく、
設備を一つを作るだけでも億単位の予算を必要とする場合が多いです。

規模が大きい分、失敗した時の損害は甚大であるため、
責任・プレッシャーの大きい仕事と言えます。

特に新しい設備を導入・開発する際は、
「まずはテスト品を作ってみて、上手くいかなかったら改良していく」
といった仕事のやり方が通用しません。

テスト品を作って失敗した、というだけで何億円も掛かるため、
どうしても失敗が許されない風潮となります。

従って、事前に様々なトラブルを想定して準備しておき、
確実にプラント・設備を立ち上げられるように構えておく必要があります。

こうした事前準備の大変さが、プラントエンジニアが激務となる理由の一つです。

工事・試運転の期間は現場に張り付きになる

プラントが休止するタイミングでしか工事や試運転は出来ません。
しかし生産の都合上、プラントを休止できる時間は限られています。

限られた休止時間で全ての作業を完遂させるため、
昼夜二交替で進める事も珍しくなく、
仕事がパンパンに詰まった状態になります。

実際に手を動かす作業は外注業者に依頼する事が多いので、
プラントエンジニアは指示出しや進捗確認に徹する事が多いです。

ただし工事・試運転中に不具合やトラブルが起きた場合には、
工期を守るために迅速な対応が必要なので、常に気は抜けません。
深夜呼び出しも多々あります。

結果的に現場に張り付き状態になるので、
工事・試運転の期間はプラントエンジニアが
最も激務になるタイミングになります。

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こんなメリットもある

プラントエンジニアが激務と言われる理由を解説してきましたが、
ここからはプラントエンジニアになるメリットにも触れていきます。

完成した時の達成感が大きい

仕事の規模が大きい分、やりきった時の達成感も非常に大きいです。
「○○億円もする設備を作った」と人に自慢したくなります。

楽な仕事ではありませんが、
自分が設計に携わった設備が元気に稼動している様子を見ると、
苦労した甲斐があったと思えます。

年収が比較的高い

忙しいため残業代が多く貰えるので、
年収は比較的高い傾向にあります。

基本給は日経メーカーの平均値くらい、
そこに年収で150~200万円程度の残業代が乗るイメージです。
私生活でお金に困る事はありません。
夫が働いて妻は専業主婦、という人もたくさんいます。

企業にもよりますが、
年齢を重ねるごとに残業代の時給も上がっていくので、
40歳か、その数年手前くらいで年収1,000万円に到達すると思います。

私生活でも段取りが良くなる

プラントエンジニアにとって段取りは命です。
仕事の順番や所要時間を見誤ると、納期に遅れて大損害をくらうため、
常に段取りを意識しながら計画的に仕事を進める必要があります。

こうした環境にいると、私生活でも段取りを意識する癖がつくので、
家事・引っ越し・旅行など様々な場面で役立ちます。

プラントエンジニアに向いている人

自分はプラントエンジニアになって大丈夫か?と心配な人のために、
プラントエンジニアに向いている人の特徴を挙げていきます。

ものづくりが好きな人

他の業界と比較して、プラントエンジニアは一人当たりの設計範囲が広いです。

そのため自分の拘りや設計思想を実物に反映させやすく、
「ものづくり」をしている実感を得られ易い職種と言えます。

計画的に仕事を進めるのが好きな人

先ほども触れましたが、プラントエンジニアの仕事は納期との闘いです。

仕事の順番や所要時間を見誤ると、納期に遅れて大損害をくらうため、
常に計画的に仕事を進める必要があります。

日頃からコツコツと仕事を進める事が好きな人には向いていると思います。

コミュニケーションを取るのが得意な人

多くの関係先と交渉・調整をしながら仕事を進めるプラントエンジニアにとって、
コミュニケーション能力は非常に大切です。

コミュニケーション能力と言うと、
「自分は明るいキャラじゃないから向いてないかも」
と考える人もいるかもしれませんが、心配ありません。

明るいに越したことはありませんが、
大切なのは「相手が納得するように説明ができる能力」です。

コミュニケーションを取ろうという姿勢があれば、
どんな人でも次第に信頼されていき、交渉・調整がスムーズに進むようになります。

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まとめ

今回は、プラントエンジニアが激務と言われる理由について詳しく解説しました。
楽な仕事ではありませんが、その分やりがいや年収が高いのが特徴です。

簡単に整理すると、このようになります。

  • 予算や納期の制約がある中で、多くの関係者を巻き込みながら大規模案件を進める、プレッシャーの高い職種
  • その分やりがいは大きく、設備が完成した時の達成感は格別
  • 残業代で稼げるので年収は高めで、お金に困る事はない

プラントエンジニアに就職・転職を考えている人の参考になれば幸いです。

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