圧力損失の原因と対策【圧損を減らそう】

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配管の圧力損失が大きいと、「必要な流量が出ない」「機器の動作が遅い」
などの不具合が発生します。

本記事では、圧力損失が大きくなる主な原因と、
圧力損失を減らす具体的な方法を解説します。

圧力損失が大きくなる原因

流速が大きすぎる

圧力損失\(\Delta P\) (Pa)は下記の「ダルシー・ワイスバッハの式」で計算できます。

$$\Delta P=\lambda \frac{L}{D} \frac{\rho V^2}{2}$$

(\(\lambda\):管摩擦係数、\(L\):配管長、\(D\):配管径、\(\rho\):流体の密度、\(V\):流速)

式を見て分かるように、圧力損失は流速の2乗に比例して大きくなるので、
流速が大きいだけで圧力損失は簡単に増えてしまいます。

一般に、水であれば1.5~2m/s以下、空気であれば15~20m/s以下の流速で
設計するのが良いとされており、これを「標準流速」と呼びます。

圧力損失が大きすぎる場合は、流速が標準流速より大きくないか確認しましょう。

圧力損失の計算方法と注意点については、
以下の記事で詳しく解説しています。

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曲がりが多い

曲がりが多く、流路が複雑であるほど圧力損失は大きくなります。

例えば90度エルボの場合、その曲率半径にもよりますが、
「配管径の20~30倍の長さの直管がそこにあった」とみなして長さを補正して計算します。
これを相当長さ(等価管長)といいます。

従って曲がり多い系統は、簡単に圧力損失が大きくなり易くなります。

バルブが多い

バルブは内部で流路が細くなったり曲がったりするので、
圧力損失が大きくなります。

メンテナンス上はバルブが多い方が便利ですが、
圧力損失を考えると必要最低限の個数にするべきです。

配管をねじ込み式で接続している

圧力損失は、流体と配管内壁の摩擦によるエネルギー損失なので、
配管内壁は可能な限り滑らかである事が理想です。

ねじ込み式の接手は構造上、どうしても内部に小さな段差が生じます。
圧力損失を特に気にする系統では別の接手方式にした方が良いです。

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圧力損失を減らす方法

配管径を上げて流速を落とす

流速が標準流速を超える場合、流速を下げる事が先決です。

流速を下げる方法としては「使用流量を下げる」または「断面積を上げる」ですが、
使用流量は決まっている事が多いので、断面積を上げる=配管径を上げる
事が有効な場合が多いです。

圧力損失は流速の2乗に比例しますので、
流速が問題無ければ圧力損失が問題になる事は少ないでしょう。

逆に言えば、設計段階では流速が標準流速以下になるように
配管径を決める事が重要、という事です。

曲がりを減らす

配管ルートの都合で曲がりが増える時もありますが、
可能な限り直管とするべきです。

また同じ90度を曲げるにしても、
曲率半径が大きいベンドを選定する事で、圧力損失を抑える事ができます。

バルブを減らす・型式を変更する

バルブの数は必要最低限とし、バルブの種類(形式)にも注意しましょう。

バルブは種類によって内部構造が異なるため、圧力損失も異なります。

圧力損失が大きい順に
玉型弁>>バタフライ弁>仕切弁>ボール弁
となりますので、使用方法・圧力損失の両方の観点からバルブの種類を決めましょう。

バルブの種類と特徴については、別の記事で詳しく解説しています。

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配管をフランジor溶接式で接続する

ねじ込み式の接手は構造上、どうしても内部に小さな段差が生じますので、
圧力損失には不利に働きます。

ねじ込み式の接手を全く無くすことは施工上難しいかもしませんが、
圧力損失を気にする系統の場合、基本はフランジ式or溶接式で接続した方が良いでしょう。

配管接手の種類
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まとめ

圧力損失が大きい時の主な原因と、圧力損失を減らす具体的な方法を解説しました。

  • 標準流速を超える場合は、配管径を上げて流速を落とす
  • なるべく曲がりを減らして直管とする
  • バルブの数は最低限にする。特に玉型弁は圧損が大きいので注意
  • 配管の接続は可能な限りフランジor溶接にする

圧力損失が大きくて困った時は、まずはこれらを試してみてください。

なお、曲がり・バルブなどの複雑形状の圧力損失については、
以下の式で詳しく解説していますので参考にしてください。

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